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「見落としがちなビジネスメールのマナー」


今やメールはパソコンや携帯などの媒体を通して、重要な通信手段の一つとして利用されています。手紙のようにやり取りの時間的ロスもなく、キーボードさえあれば手軽に打てるので、ビジネス現場でも欠かせないツールとなっています。派遣先の会社でもメールを使って企業や個人のお客様と連絡を取る機会が多々あることでしょう。しかし、ビジネスメールに詳しい平野友朗氏によれば、メールマナーに関してきちんとしたマニュアルの整備された企業はまだごくわずかだと言います。したがって、ビジネスメールのやり取りに関する教育を受ける機会はあまりないと予想されます。しかし、メールは一度送信してしまうと取り返しがつきません。最近ではメールを通して企業から大量の個人情報が流出したケースも耳にします。そのような大問題につながる前に、今一度ビジネスメールのマナーや陥りやすい失敗について確認してみましょう。

 最近では迷惑メールが横行し、個人のメールボックスでも多いところには一日に何百通もメールが来ることもあります。そのような状況の中で、送信したメールを開封してもらうには、件名を分かりやすく記入することが大切です。例えば苦情に対して返事をする際に、単に「お詫び」と書いただけでは、迷惑メールと勘違いされるかもしれません。何に対するお詫びなのか、具体的で明確なタイトル名にする必要があります。ただし、件名はたいてい一行で表示されるので、詳しく書きすぎて文字数が多くならないようにすることが必要です。

 
メールを発信する前には
必ずミスがないか確認を

 本文においては、まず相手の名前に間違いがなく、きちんと「様」をつけているか確認してください。急いで返信すると、「様」を書き忘れたりしがちです。次に「担当の○○です」とフルネームで名乗るようにしましょう。お客様から見ればあなたが会社の代表なのですから、責任の所在を明らかにする意味でも、きちんと名前を書くようにしてください。そして、本文では全体の要旨で書き始め、詳しい説明をだらだらと長くなりすぎないように書いていきましょう。感情が乗ってしまうとついついメールが長くなってしまいますが、メールの量と懸命さは比例するものではありません。送られてきたメールの半分くらいの量を目安にするとよいでしょう。長文メールをいただいた場合は、相手のコメントを残しつつ、返事を添えてあげると一層見やすくなります。そうした「細かい気配り」が行き届いたメールはお客様にも喜ばれることでしょう。

また、メールというのはどうしても機械的なキャッチボールになりがちです。しかし、最後に簡単な一言を追加することで、そうしたイメージを払拭することができます。例えば、お客様の登録データから生年月日が分かるなら、お誕生日を祝う一文を入れてあげるだけでも、相手に与える印象は変わるもの。他にも季節や健康に関することについて、優しい文体で相手をいたわる温かい一言を添えると、お客様に与える印象は良くなります。

 ただし、お客様とは社会人としてのコミュニケーションの枠を外れない程度の距離感をはかるようにしてください。もし、あなたが女性だった場合、男性のお客様に対しては踏み込みすぎたメールにならないようにしなければなりません。相手に誤解されないような文章にする必要がありますし、年上のお客様の場合は、少し堅い感じの丁寧な文章にするのが無難でしょう。お客様の属性に合わせた適切な距離感を保った文章を心がけましょう。


画面前のあなたの笑顔が
相手に伝わるような文面で
 

お客様とのメールのやり取りにおいて、最も注意して対応しなければいけないのが、クレーム処理です。担当ではない部分で発生した苦情に関しては、どうしても自分に責任はないことをつらつらと書いたメールになる傾向がありますが、お客様はそういったメールを求めているわけではありません。お客様にとってはどの部署の誰のミスによって生じたミスなのかまでは把握できませんし、クレームのメールを送るという行為自体にもストレスを感じているものです。大切なのは直接の責任はなくても、自分がお客様と会社を結ぶ窓口であるという意識を持って、丁重にお詫びのメールを返してください。そしてクレームをわざわざ送っていただいたことを労う意味で、「この度のご指摘、誠にありがとうございました」などお礼の一文を最後に追記できるとベストな対応と言えます。またメールに関しては、24時間以内の対応がどの企業でも当たり前となってきており、特にクレーム処理に関しては、お客様も誠意ある迅速な対応を求めているもの。できるだけ早いレスポンスが望ましいでしょう。


これまでの内容をまとめると、「件名が適切か」「相手の名前に間違いがなく、『様』をつけているか」「自分の名前をフルネームで書けているか」「用件が誤解のないように簡潔に伝えられているか」「メールの最後に追伸の一言があるか」の5点が送信前に最低限チェックしておきたい項目となりますが、平野氏によると、小難しい漢字をあまり使用しないことが、さらに読みやすいメールにするためのちょっとした工夫だと言います。メールは上から下にスクロールして読むので、その流れを妨げるような難解な表現は避けたいところ。そこで、メール全体の漢字の2、3割を意識的に平仮名にするだけでも読みやすさは格段に変わるそうです。

ここまで確認できれば、あとは送信ボタンを押すだけですが、その前に自分のアドレスに送ってみたり、プリントアウトして読み返してみたりすると、書いている時にはうっかり見落としていた間違いにも気づくことがあります。メール一つでもこうした思いやりのある丁寧な姿勢を心がけていれば、その気持ちが必ず相手にも伝わるはず。そうすれば、メールから生まれる仕事上のトラブルも自然と少なくなることでしょう。


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