スペシャルコラム

今年の七夕の夜、東京タワーやレインボーブリッジなど、街中の電気が一斉に消えました。会社からの帰り道、いつもは明るい駅前が暗く感じた人も多いのでは？
　これは、「クールアース・デー」の一環で、洞爺湖サミットに合わせて開催されたものです。日本全国で一斉に電気を消す「七夕ライトダウン」を政府が呼びかけ、ライトアップされた観光地をはじめ、日本全国で７万以上の施設で行われました。このイベントにより、地球温暖化の原因である二酸化炭素が500トン近く削減できたそうです。
　先日開催された洞爺湖サミットでも「地球環境問題」が重要なテーマにあげられるなど、エコに対する意識が強まっているように感じます。そこで今回は、いますぐ取り組めるエコ活動について紹介します。難しく考えずに、できることからはじめてみましょう。

身近なことから環境問題を考えてみませんか？

地球温暖化が問題になっていることは、皆さんもご存知だと思いますが、その原因を正しく理解している人は少ないのではないでしょうか。地球温暖化の主な原因は、二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスといわれるものです。二酸化炭素は、人間の呼吸だけではなく、石油などの燃料を使うことでも排出されます。自然には二酸化炭素を吸収する力がありますが、その許容量を超えた分は大気中に蓄積されてしまうのです。温室効果ガスの濃度があがると、熱を宇宙に放出することができず、地表の温度がどんどん上昇してしまいます。 　気温が上がるだけではなく、砂漠化の原因や海面の水位が上昇してしまうそうです。そのため、ツバルやモルディブといった海抜の低い島は、水没の危機に見舞われています。このような状況を抜け出すためにも、個人レベルでの意識改革が必要なのです。

肌を焦がすような強い日差しも地球温暖化が原因のひとつ

エコ意識を高めるきっかけとして、エコバッグやマイ箸からスタートしてみませんか？　コンビニやスーパーで買い物をするときにもらうレジ袋は、日本国内で年間300億枚も消費されているそうですが、ほとんどはゴミとして捨てられています。外食事に出される割り箸も、使用後はゴミになるだけ。焼却するときには二酸化炭素を排出するため、これを削減するだけでも地球温暖化対策に役立つのです。
　例えば、オフィスでの昼休み。ランチを食べるときに割り箸を使い、帰りにコンビニで飲み物を買い、レジ袋に入れてもらう。このとき、マイ箸とエコバッグを持参するだけでも、ゴミを減らすことができるのです。おしゃれなエコバッグや箸セットも増えているので、お気に入りの一品を探すのも楽しいですよ。

ゴミになる割り箸にサヨナラ！今日からマイ箸をはじめよう

オフィスでもエコ活動は可能です。夏場にはかかせないクーラーですが、強すぎて上着を羽織っている人も多いのでは？　冷やしすぎると環境だけではなく、健康にも影響を及ぼしてしまいます。また、最近では、クーラーなどの過剰使用によるヒートアイランド現象が問題になっています。自然が少なく、コンクリートに囲まれた都市部では、熱が蓄積されてしまうのです。その結果、涼しくなるために使用したクーラーによって、温度上昇を招いてしまいます。
　環境にいいとされている設定温度は28度です。朝晩は窓を開けて自然の風を取り込んだり、設定温度を下げすぎないように注意しましょう。ブルーやグリーンといった寒色系のカーテンも効果的。視覚から涼を感じられるので、インテリアを工夫するのもいいですね。
　ほかにも、紙の無駄遣いを減らしたり、こまめにパソコンの電源を落とすだけでもエコ活動につながります。給湯室やトイレの電気も、誰も使っていないときはオフにして。意識してみると、意外とエネルギーを無駄遣いしていたことに気づくでしょう。

その資料、本当に必要ですか？
出力する前に確認しましょう

地球という大きな存在のために、私たち一人ひとりができることは微々たるものかもしれません。しかし、その小さな積み重ねが大きな力となり、二酸化炭素の削減にもつながるのです。地球温暖化問題は目に見えにくいものですが、私たちがエネルギーを無駄遣いすることによって、水没などの被害が生じている地域があることを忘れてはいけません。
　最初は面倒に感じることでも、慣れれば不思議と気持ちよく感じてきます。海や山など、自然と触れ合う機会が多い季節だからこそ、環境について考えてみませんか？

屋上緑化や街路樹整備など企業によるエコ活動も急増中